造作工事は、建物の骨組みに壁や床板、天井、各種建具を取付けて仕上げていく工事です。大工職人は、木製部材の取付けを行います。昔は、現場で大工が加工した物を取り付けていたため、担当する職人のスキルによって加工部材の品質が左右されていましたが、今はプレカット工法の導入で、部材の品質が高いレベルで均一になるよう、工場で加工されるようになりました。これにより、現場での職人の作業工程が減り、工期も昔と比べて短くなっています。
建物外部の造作工事
建物の外に位置する部材の取付け工事です。外壁、ウッドデッキ等、外気に晒される部分の造作工事になります。外壁に木材を使用する場合は、そのままだと雨水で劣化しやすいため、木材を保護する油脂性の塗料で、表面に防水加工を施します。
下見板張り
壁板を横向きに張り、重ね張りしたものを下見張りといいます。縦張りも可能ですが、横張りの方が内部に水が溜まりにくく、防水性が高いのが特徴です。
建物内部の造作工事
天井や内壁、床、木製建具、造り付けの家具などを取付けおよび加工していく工事です。内壁は遮熱するために、下地の部分に断熱材を取付ける場合もあります。
下地造り
床や壁、天井の下地造りをする工程です。まず骨組みになる部分を木材で組み、ベニヤ板を張って下地を造ります。この上に、石膏ボードや床板を張っていくことで、お部屋の壁や床になっていきます。
壁の造作
石膏ボードを壁に張り付けていく作業です。この上にクロスを貼ることで、きちんとした内壁になります。石膏ボードは、防音と遮熱効果があるため、隙間をしっかりと埋めて設置することで、建物の気密性を高めることが可能です。
天井張り
天井板を取付けるまでの工事です。下地組みをして、ベニヤで補強した上で天井用の石膏ボードを張付けます。ここでは天井の資材が落下する危険性を無くすために、下地組みした部材(野縁という)を吊り木で吊るすか、T字金具で接合して、落ちないようにします。この時、天井に断熱材を取付けることで、より遮熱性が上がります。昔の住宅には、天井に断熱材が無い建物もあるため、天井を張り替える機会に、新たに断熱材を取付けるケースもあります。
床張り
床板を張る工事です。床の高さを確認して、墨出し器で水平位置を測り、各部屋の高さを併せるよう調整を行います。高さを計ったら次は下地材を取付ける作業になるのですが、壁際に際根太(きわねだ)と言われる下地材を取付けていきます。際根太を取付けることで、床が下がるのを防いでくれる効果があります。次に支持脚を固定していき、その上に下地となるパーティクルボードという置き床を設置していきます。支持脚を接着剤で固定して、置き床のつなぎ目を養生テープで閉じれば床下地の完成です。この上に、床の表面となる床板を張付けていきます。
造り付け家具の造作
収納や、靴箱収納、食器棚、クローゼット、木製のダイニングテーブルなど、建物と一体化した木製家具のことを造り付け家具といいます。特注でデザイン加工ができ、自然なインテリアにもなります。階段やソファーに収納部分を加工したり、施主が希望する設計が可能です。
工事完了後の造作検査
工事が終わった後の点検です。歪みや亀裂などの不具合が生じていないかをチェックしていき、問題が無ければ施主に確認してもらって工事完了となります。